蟠桃の四季

北海道の蟠桃(ばんとう)鉢植え栽培で秋~冬に行う収穫後の追肥・剪定・冬囲、低温要求量と冬期間の温度管理について

この記事では、鉢植えで蟠桃栽培を行う上での秋から冬にかけての流れを記載しています。主に、追肥、剪定、冬囲いと低温要求量と冬期間の温度管理ついての内容になります。

果実を収穫したら肥料の追加

夏に蟠桃の果実の収穫が終わったら、来年の花芽や葉芽の準備の為に肥料を与えます。私は、蟠桃栽培を始めてからずっと、天然成分の肥料を使用しています。この数年、継続して使用している肥料は、「バッドグアノ」という肥料です。バットグアノとは、コウモリのふんが洞窟の中で長い年月をかけて化石化した有機質のリン酸肥料です。完全に化石化しているので、ふんと言っても鶏ふんなどの堆肥とは違い、臭いはほとんどありません。リン酸が多く、窒素とカリウムはあまり含まれていない肥料なので、果実などの元肥・追肥に適しています。

 

「バッドグアノ」は、多く与えすぎてしまっても化学肥料のように根が焼けたり、植物の負担になることはありません。注意点は、化学肥料のように即効性がないので、継続して定期的に使用する事です。

害虫対策

最近は、北海道でも残暑が厳しく、秋になっても暑い日が続くので虫が活発です。収穫後から桃の葉が落ちきるまでの秋にかけては、新しい枝や次の花芽や葉芽が育つ時期でもあるので、葉や枝、根を害虫から守っていく必要があります。私が最近悩まされるのは、主にハダニとカイガラムシです。

害虫対策についても、なるべく天然成分を使用したいと思い、今まで「ニーム・ガルテン」という商品を使用していましたが、現在「ニーム・ガルテン」で商品検索すると、私が実際に使っている商品は、ほとんどのサイトで在庫なしになっています。同様の効果を期待できる天然成分のものでは「ニームオイル」があります。「ニームオイル」には、希釈して使用するタイプとそのままスプレー出来るタイプがあります。天然成分であれば、果実にかかっても問題ありません。

 

「ニームオイル」はニーム種子から抽出されたオイルを使用し、植物保護と害虫忌避作用があります。適量を水で薄めて、霧吹きなどで直接木や根元に噴霧して使用します。

 

剪定の時期と剪定する枝の選別について

【剪定に適した時期】
桃の剪定に適した時期は、秋の終わり頃か、春の初め頃です。どちらも、枝に葉がない、芽もまだ芽吹いていない状態の時です。枝に葉がたくさんあって、植物の生育が活発な時期には、水と養分を葉に運ぶために枝の中が水分でいっぱいになっています。その時期に枝を切ると、切り口から水が出て、枝が腐ってしまう事があります。そのため、枝の剪定は葉がすべて枯れ落ちた秋か、まだ葉が芽吹いていない春先に行うのが良いです。
【剪定する枝の選び方】
・徒長枝(とちょうし)と呼ばれる枝で、木の幹や太い枝から上方に向かって真っ直ぐに伸びる枝。徒長枝は花芽がつきにくいので剪定する際の第一選択になります。
・その年に伸びすぎた枝があれば、先端1/3部分を切ります。あまり枝が長くなり過ぎると、風や果実の重さで折れやすくなるので、長く伸び過ぎた枝は枝全体の2/3を残す程度に選定します。
・他の枝と重なり過ぎて、枝同士の日当たりを阻害している枝は、葉芽や花芽の多く付く元気な方の枝を残して剪定の対象にします。

剪定時の注意点

桃の枝を剪定する場合に、一番注意しなければならない事は、必ず枝に葉芽を残すように切る事です。葉芽の無い枝は、水分が通わなくなって枯れてしまいます。残す枝の長さは、葉芽の位置を見て決めて下さい。
また、剪定した桃の枝の切り口からばい菌が入る事があるので、剪定後の切り口は園芸用の癒合剤で保護します。私が使ったことがあるのは、「トップジンMペースト」と「キヨナールA」という製品です。どちらも、ボンドのような容器に入っているので、直接枝の切り口に塗る事ができます。必要な分をチューブから絞り出して、枝の切り口を塞ぐように塗布します。しばらく時間を置くと固まって、枝の切り口が塞がります。
「トップジンMペースト」は、剪定時の切り口癒合にも使えますが、チオファネートメチルという成分が含まれており殺菌剤の役割もあるので、胴枯病などの病患部を削り取った後の傷口に塗り、病原菌の侵入を防ぐ事もできます。

 

「キヨナールA」には消毒成分としてアルコールが含まれています。こちらは、癒合剤の役割の方がメインです。過去に塗布した部分は、数年たっても剥がれ落ちていないので、耐久性もあります。

 

冬囲い

冬囲いは、最高気温が7℃くらいまで低下してきたら行います。後から記載する休眠と低温要求量とも関連しますが、気温が完全に下がらない早いうちにビニールなどで冬囲いした場合、低温がしばらく続いた後、気温が少し高くなった日や、日当たりによって、冬囲いが保温の効果となってしまい、15℃を超える日が続いてしまうと、木が春だと勘違いして葉が芽吹いてしまうことがあります。
芽吹いてしまった芽や花芽は、冷気に弱く、再び気温が下がってくると枯れてしまいます。その為、冬囲いのタイミングは、気温の変化を見計らって、冬囲い後も10℃以上にならないようなタイミングがいいと思います。

地植えではなく、鉢植えで管理している場合は、鉢の中で土が凍らないようにする対策も必要です。植木鉢の部分を下から発泡スチロールやアルミ材の保温シートなどで包み、更にビニールをかけると根の凍結防止になります。下の写真は12月上旬の冬囲い状態です↴
蟠桃冬囲い
最高気温がまだ5℃くらいなので、ビニール袋だけですが、あと1週間か2週間したら、ブルーシートの覆いも追加していきます。12月中旬から、最高気温も氷点下になり始めたので、12月26日にさらにブルーシートをかけて、鉢植え管理での冬囲い作業を終了しました↴
蟠桃冬囲い
冬囲いしたら、春までお水はあげなくても大丈夫です。お水をあげると、鉢植え内で凍結してしまうので、そのままそっと木を冬眠させておきます。

翌年の開花の為に必要な低温要求期間について

桃は、収穫が済んで葉が落ちると、休眠状態に入ります。休眠中には、葉で形成された物質が、分化した芽へ移行すると考えられています。その休眠を自発休眠と言いますが、植物が自発休眠から目覚めるためには、低温要求と言われる、この一定期間の低温が必要です。低温要求期間を必要とする代表的な植物は、桜、梅、苺、桃、柿、ブルーベリーなどです。どの程度の低温要求量を必要とするかは、その植物によって異なります。

低温要求に求められる低温とは、0〜 12℃程度で、7℃前後が最も効果があるようです。
下に、低温要求時間について研究されているサイトのリンクを貼っておきます
農研機構⇒ https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2016/nifts16_s09.html
農研機構の資料では、桃の低温要求期間は、1000~1200時間となっており、日にちにすると45~50日です。約2か月ほどは、桃の低温要求温度である0〜 12℃以上にならないようにする必要があります。また、北海道では、その年の冬の寒さの状態によっては、桃の生育可能温度の下限である-15℃を下回らないようにする防寒対策も同時に必要となります。

北海道の蟠桃栽培 秋~冬の期間のまとめと冬期間の温度管理

桃の一般的な桃の生育可能環境については、年平均気温9℃以上、冬期の最低気温-15℃と言われているので、冬期間は、低温要求量を満たしつつも、同時に生育可能な最低気温以下にしないように管理します。最近の北海道の冬は気温が一定せず、冬でも気温が高くなる事もあり、2月のうちに暖かくなって、5月頃に急に冷え込むこともあります。花芽が硬いうちは低温にも耐えますが、一度暖かくなった為に、つぼみがほころんでいると寒さには弱いので、その場合はビニールで覆うなどの対策が必要になります。春先は特に、気温と天候を見ながらお世話しています。
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