演奏方法について

中国琵琶の持ち方

この記事は、中国琵琶を演奏する時の基本姿勢について説明しています。

中国琵琶を演奏する時の椅子の選択

現代の中国伝統楽器の演奏スタイルでは、二胡や古筝や揚琴などの奏者が立って演奏する演出を見る機会が多くなりました。中国琵琶は重さがだいたい3~5kgもあるので、中国琵琶だけは立って演奏するのは不可能だと思っていたのですが、最近では専用のホルダーとストラップのようなものを使って中国琵琶奏者も立って演奏する事があるようです。ですが、普段の練習をする場合は、必ず椅子に座って練習します。

中国琵琶を練習するための椅子は、キャスターと肘掛のない椅子で、高さは、腰かけた時に足の裏を床につけて太ももが床と平行になるか、少しつま先を浮かせて平行になるくらい、という高さがよいです。
下の写真を参考にして下さい↴
中国琵琶椅子の高さ
太ももは床に対して平行になっています。

楽器の持ち方について

持ち方の基本

椅子を選んだら、深く腰掛けずに椅子の手前の方に浅めに腰掛けます。かと言って、あまり浅く座ると、中国琵琶の楽器自体の重さがあり、前に倒れてしまいますので、安定して座れる程度に浅く腰掛けます。
まずは、楽器を両方の太ももの間の中央に立てて置き、それから、自分の右の下腹部に琵琶の右の背面を少し沿わせるように、45度くらいの角度をつけて面板の向きを正面からずらします。楽器と自分の身体が接している部分は、右の下腹部と右大腿付け根寄りの部分、左の大腿の中間より少し体寄りの部分、の3か所です。右の前胸部と楽器の背板の一部分がわずかに接することはありますが、押し付けるようにくっついてしまうことがないようなのが基本です。
下の写真を参考にして下さい↴
中国琵琶持ち方

楽器の頭部はやや左の方へ傾けて左手の親指を添えて支持して持ちます。楽器の重心を、両手を一瞬離しても楽器が倒れないような位置に置くと、左手への負担も少なく、演奏する時にも安定した持ち方になります。
下の写真は「両手を離しても楽器が倒れない」という状態の例です↴
中国琵琶演奏方法

弦やフレットを目視で確認する場合

弦やフレットの位置、自分の手や指の状態を目で見て確認したい時は、基本的には、面板より前に顔を出して前からのぞきこむように見るのではなく、面板の横斜めから見るようにします。
だんだん慣れてくると手元を見なくても弾けるようになりますが、はじめのうちは目で確認してからでないとフレットの位置を正しく押さえられない場合があると思いますので、鏡を併用して確認するようにすることをおすすめします。できれば全身を映せる鏡が良いですが、手元だけでもいいかと思います。

基本を理解したうえで自分にあわせた自然な持ち方をする

楽器の持ち方は、文章で説明しても伝わりにくいところもあるとは思いますが、添付した写真など参考にしてみて下さい。
私は中国琵琶を学び始めた当初、楽器の持ち方や弦の押さえ方を、本に書いてある通りにしようとすると、痛みが出たり不自然だったりして悩んだことがありました。その時に、師匠から「基本的な事は決まっているが、ひとりひとり手も指も身体も違うのだから、自分にとって痛みのない角度や楽な形なのであればよい」と言われました。

「基本」というものには長い歴史の中で受け継がれてきた理由があり、おろそかにはしてはならないというところは押さえておかなければならないと思いますが、無理してテキストと同じように書いてある角度通りに持ったりしても、身体や指に負担になってはいけないので、基本となる内容はきちんと理解した上で、自分にあった持ち方、押さえ方をしてみて、どこか強い痛みやこわばりが出ないか確認しながら練習をすすめていただきたいと思います。
特に、独学で学んでいらっしゃる方は、手の関節や手首を痛めないように気を付けて下さい。もし、自分一人で解決できなくなってしまったら、お気軽にお問い合わせフォームからご相談下さい。メールで回答が可能な範囲でしたら、解決できるようお手伝いします。

中国琵琶の持ち方のまとめ

楽器の持ち方は、演奏技法の上達を左右することがあるほど大切な基本です。基本の形をきちんと理解しつつ、関節や腱に過度な負担が生じないように、自分自身の身体にあわせることが必要です。初歩的な事であればあるほど、先生から学ぶのが上達する早道になると思います。中国琵琶は楽器の重さがあるので、初心者のうちは持ち方を間違えるだけでも手首や指の関節痛めたりする可能性もありますので、気を付けながら練習していきましょう。

演奏方法についてはそれぞれ下の記事にまとめました↴


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