楽器について

中国琵琶の構造と楽器を購入する時の選び方

この記事は、中国琵琶の構造、楽器のそれぞれの部分の名称と役割、自分で楽器を購入する時のポイントについて書いています。

中国琵琶の構造と各部位の名称

中国琵琶の構造は、楽器の本体と、4本の弦から成り立っています。下の図に沿って①~⑨までそれぞれ説明していきます。
中国琵琶の構造の写真
①琴頭(qin tou)
楽器の一番上の装飾部分です。装飾に使われる素材には、牛の角、ラクダの骨、木材などがあり、かつては高価なものは象牙の装飾もありました。楽器の音質には直接関係はありませんが、丁寧に作られた楽器は、琴頭の装飾部分の細工も丁寧な場合が多いです。

②琴軸(qin zhou)
弦を巻き付ける糸巻きで、中国琵琶の弦は4本なので琴軸も4本あります。琴軸の巻き取りを調整して調弦を行います。ゆるみがなく軸と穴がきっちりあっているか確認します。

③山口(shan kou)
琴軸から張られた弦の位置を安定させるための溝です。この部分は、弦と溝とのなじみが良くないと、音を出した時にこの部分から雑音が生じる事があるので、実際に弾いてみて雑音が出ない事を確認します。

④相(xiang)
低音部分のフレットで、形状が三角形になっている部分を相といいます。数は6個で、牛の角やラクダの骨、紫檀などの硬い木材で作られる事が多いです。この部分に音程の狂いがあると、自分では簡単には修正出来ないので、購入時は、相の音程が正しいかどうか必ず確認します。

⑤品(pin)
相から下のフレットは品(pin)といいます。中音域から高音域の部分で、24~25本あります。この竹製のフレットは、使うにつれて摩耗するので、すり減ってきたら交換が可能です。糊で固定されているだけなので、音程が違ってきたら、自分で外して正しい位置に貼りなおして調整する事か出来ます。良い楽器は、はじめから品の音程が大きく狂っていることはあまりないと思いますが、使っていくうちに次第に音程が違って来るのは自然な現象なので、その時は正しい位置に貼りなおして調整します。

⑥面板(mian ban)
楽器の前面の部分です。桐の木の合板で作られることが多いです。表面が滑らかで、合板の継ぎ目がまっすぐで目立たないものがよいです。

⑦背板(bei ban)
楽器の裏側で本体になります。素材となる代表的な木材は、紫檀、紅木、花梨などです。他には「雑木」という木の種類がはっきり特定できないものもあります。背板に使われる木材の種類や質によって音質が大きく変わってきます。木の木目がそろっていて傷や亀裂や節がなく、もしコーティングの塗装がされているのであれば塗り方が均一で、なめらかなものが良いです。
楽器を作る木材の種類については下の記事で説明しています↴

⑧覆手(fu shou)
琴軸から張られた弦を下側で固定する部分です。4本の弦を張る為に、常に強い力がかかっていますので、数か月単位の長期で楽器を弾かない場合は弦を緩めて、覆手にかかる力を緩めておくと良いです。

⑨弦(xian)
弦は4本です。琴軸からそれぞれに太さの違う弦を張ります。
中国琵琶弦の名称


中国琵琶楽器について
中国琵琶の弦を張り替える方法

この記事では、中国琵琶の弦を張り替える時の手順と注意点について説明します。 楽器の構造と弦を張る場所について 楽器の各部分の名称は、下の写真を参照して下さい。中国琵琶の弦を張る時は、⑧覆手の部分で固定 ...

楽器が作られた地域による音質の違いと特徴

楽器の音質は、使用する木材の素材にも影響されますが、その楽器が作られた地域によっても違う場合があります。
北京周辺の北の方で作られた楽器は「北京琴」と呼ばれていて、楽器にわりと重さがあり、音質は明瞭で音量も大きい傾向があります。
上海周辺の南の方で作られる楽器は「上海琴」と呼ばれていて、木材の重さも軽めで音質も柔らかい楽器が多いようです。
蘇州周辺の地域で作られると「蘇州琴」と呼ばれます。蘇州の楽器の音質については、上海琴に近いですが、私の印象としては、からっとして少し明るい音質のように感じます。
ですが、現在では、どの地域の工場でも品質や音質が統一化されて来ている印象があり、以前ほどには地域の工場毎の差は明確ではなくなって来ているように思います。

楽器を買う時は、自分の住んでいる地域と似た気候の土地で作られた楽器を選ぶと、楽器にとって良いと言われています。北国は、冬は寒くて空気が乾燥していたり、南の地域は、夏は熱く湿度が高いなど特徴があり、
その楽器が作られた地域と気候条件が大きく異なる地域に急に移動すると、木が乾燥して割れたり、木が湿度を吸って膨張して音質が変わったりする、というトラブルが起きる為です。
また、北の楽器を南で使うと音が良くなり、南の楽器を北で使うと亀裂が入りやすい、と言われます。

店頭で楽器を購入する時の手順

楽器を購入する時一番理想的なのは、出来れば実際に自分で手に取って音を出してみて購入を決める事です。自分で店頭で楽器を選ぶ場合の手順4つを下にまとめました。
①予算、外観、木の種類など自分の希望にあったものから候補を2~3本選ぶ
②選んだ楽器を定弦に調弦し、開放弦で雑音が出ないかを確認する
③各品(フレット)と相(上部のフレット)をおさえて音程と雑音を確認する
④その他、出来ればいくつかの調(例:D調、G調、A調など)で音階を弾いて音程と雑音の有無、正しい位置でハーモニクスが出るかを確認する

調弦の方法については下の記事で説明しています↴

楽器を選ぶ時、音程のチェックの際は、チューナーを使うと正確です。クリップ式マイクを使用すれば、楽器の振動が直接チューナーに伝わるので、周囲の音に影響されずチューニングを行うことが出来ます。

 

日本で中国琵琶を取り扱っているお店

現在は、情報面でも物流面でもとても便利になり、日本で中国民族楽器を取り扱っている楽器屋さんも増えたので、以前のように自分で中国まで行かなくても楽器を購入できるようになりました。
私が実際に見に行ったことのある、中国屋楽器店のリンクを下に貼っておきます↴
中国屋楽器店⇒http://dosodo.co.jp/

インターネットでも中国琵琶の購入が出来ますが、子供用のサイズや、手の小さい人用の特殊な幅の狭い楽器などがあるので、実物を見ないで買う場合は、事前に良く確認する事をおすすめします。

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中国琵琶を購入する時の楽器の選び方のまとめ

もし、楽器の購入時に試しに弾いてみることのできる環境であれば、ぜひ音を出して聞いみてから選んで下さい。初心者の方が自分で選ぶのは難しいかも知れませんが、曲などが弾けなくても音を聞いてみて買うのが良いと思います。音が出せない場合は、楽器の外観や細かい部分の作りがきちんとしているを見て決めます。

一つの楽器との出会いも縁だと思います。たくさんお金があっても、素晴らしい楽器に巡り会う事が出来なければ買う事はできません。逆に、予算が少なくても、安くても良い楽器と巡り合うこともあります。中国琵琶の世界は、聞くことも素晴らしいのですが、このような難しい楽器を学ぶことで、弾けるようになって努力が報われた時の喜びを感じる事が出来ますし、音楽が身近にあることで人生が豊かになる感じがします。
自分の楽器と巡り会って学び始めた時、聞くだけだった時とは違った中国琵琶の魅力も知ることが出来ると思います。

中国琵琶の写真
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中国琵琶(pipa)をご紹介します! 私は、2001年~2003年まで中国瀋陽音楽学院に留学し、 民族器楽科の劉剛氏から中国の伝統楽器である中国琵琶を学びました。 日本に帰国した後は中国琵琶の演奏と講 ...

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